201611/16

口臭の原因は病気かもしれない、治療が必要な口臭5種

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臭い口臭で周囲に迷惑をかける男性

終電近い電車に乗った時など、何ともいえないニオイに、一瞬たじろいだことがあるという人は、かなり多いでしょう。酒、ニンニク、ニラ、その他のニオイが見事にブレンドされたこのニオイは、お酒が嫌いではない人でさえ、ゲンナリさせられてしまいます。自分も飲んでいたとしても、それを棚に上げて腹が立つから不思議なものです。

口臭というと、飲食したものが原因であると考えがちです。確かに歯ぐきなどに食べカスがたまり、ロの中の嫌気性細菌が付着・繁殖して分解、発酵することで悪臭を放つのは事実。また、歯肉の後退、金属冠や義歯の不適合で、不潔になりやすい場合にもいやな口臭は避けられません。

しかし、このような清浄不足による口臭や生理的口臭は、本人が注意して清潔に保つ努力をすることで防げます。ただ、病的口臭となると話は別です。そのままにせず、病院できちんとした治療を受けることが必要。ここで、病的な口臭について、その代表的な例をあげてみましょう。

一生懸命、口臭ケアをしているのにほとんど効果がないという場合、意外なところで病気が潜んでいるかもしれません。心当たりの方は、ぜひご参考くださいね。

1 その口臭、病気のサインかも!?

治療が必要な口臭5種

「胃が悪いし口臭が強くなる」と言われることがありますが、胃の疾患で悪臭成分が食道を逆流して呼気にあらわれることは、まずありません。食道は一方通行で、ガスも容易には逆流しなしような身体の仕組みになっています。(ゲップは唯一の例外ですが、会話の時の口臭とは区別されています。)

胃などの消化管が不調になると、ロが乾燥し、唾液の分泌が減少します。それによって、唾液による口腔肉洗争・清浄化リズムが崩れるため、細菌が増殖傾向になります。そんな時、虫歯や歯槽膿漏など歯科的な症状が少しでもあれば、悪臭成分の産生がより強まってしまいます。

つまり、胃の不調と口臭との関係は直接的なものではなく、口臭はあくまでも口腔内環境が悪くなることによって起こるのです。もっとも、内科疾患で口臭成分が強くなることは昔から多くの研究結果がありますし、経験的に知っているという人もいるかもしれません。ここから、治療が必要な病気が疑われる口臭の代表例をあげていきましょう。

A) 胃腸疾患

胃腸病が体内で二オイ物質を作り出す
口臭の原因の中で、歯周病に並んで多いのが胃腸病です。悪臭を発する飲食物を摂取した場合、そのニオイ物質が消化過程で腸管から吸収され、血液の流れにのって、肺から悪臭がガスとして排池されてにおうのですが、これは一過性のもので病的なものではありません。

胃炎、無酸症、胃拡張、胃潰傷、十二指腸潰蕩、胃ガンなどにかかると、消化不良を起こしやすくなります。その結果、食べたものが胃の中に停滞し、異常発酵するのです。そこで発生した二オイ物質が腸管から吸収され、血流に乗って肺から排泄、「卵の腐ったようなニオイ」の口臭となって出てくるのです。この場合は病的なものです。

腸の働きが悪かったり、腸内に疾患があったりすると、腸内の細菌バランスが崩れ、酵素分解が異常になって、悪臭物質を発生させます。

現代はストレス過多の時代。ストレスが原因となって慢性胃炎や潰蕩を起こす人が増えています。睡眠不足、動物性脂肪やタンパク質の摂り過ぎ、過食、便秘等とともに、十分な注意が必要でしょう。

B) 肝機能低下

ニオイ物質を分解できない
肝臓も、口臭発生に関係してくる臓器です。肝臓の働きが正常の場合は、ニオイ物質(中間代謝物のアセトン、メルカプタン)は分解され、病的な口臭は発生しません。ところが、慢性肝炎などで肝臓の働きか落ちてくると、分解しきれないニオイ物質が血液に乗って全身をめぐり、口臭や体臭となってあらわれます。

肝臓に問題がある場合の口臭は「ネズミ臭」といわれ、苦くなる特徴があります。さらに重症になると、「カビ臭」や「腐卵臭とニンニクの混ざったニオイ」がするといわれています。

C) 糖尿病

甘酸っぱいニオイと口の乾きは糖尿病の恐れあり
糖尿病もまた、代謝機能の低下や組織活性化の低下を招き、甘酸っぱいニオイがすることがあります。また唾液が減少するため、嫌気性菌が増殖して口臭の原因になります。

糖尿病になると、唾液が不足し、ロの乾きを覚えるようになります。唾液はロの中をいろいろな菌から守る役割をしていて、唾液が不足すると、歯周病の原因となる菌などが増殖し、口臭が強くなってしまいます。糖尿病の人は歯周病になりやすいといわれていますが、それにはロが乾き唾液が不足しがちという背景があるでしょう。

さらに、糖尿病になるとインシュリンが不足して糖の分解が進まなくなるので、その代わりに体脂肪を燃焼してエネルギーを作りだそうとします。その際、ケトン体という強いニオイ物質が発生し、血流に乗って全身へと送られるため甘酸っぱい口臭や体臭を生みだします。糖尿病の人から甘酸っぱいニオイがするのはこのためなのです。

D) 腎機能低下

腎機能が低下すると、アンモニア臭い口臭がします。血中の尿素量が増加して、肺や口腔に分泌され、細菌の作用によってアンモニアが生成するためです。

腎不全で人工透析を必要とする患者さんだと、よりアンモニアの口臭が強い場合が多くなります。このような場合、呼気中にアミン類(ジメチルアミンやトリメチルアミン)が増加していることが知られていおり、これらの濃度は透析後や抗生物質投与で大幅に低下します。

E) 口内炎症

歯槽膿漏、口内炎、歯肉炎などがある場合、膿のニオイや、崩壊した口腔内の皮組織に嫌気性菌が付着して、特殊な発酵臭を放つようになります。

F) 鼻・のどの病気

空気の通り道に炎症があると口臭の原因に
気管支炎や肺炎などの呼吸器系の病気や、蓄膿症やアレルギー性鼻炎、扁桃腺炎など、鼻やのどに病気を起こしている場合もきつい口臭がします。これは、肺や気管支、鼻やのどなど、炎症を起こしている部分の皮膚組織がただれたり、化膿を起こし菌が増殖したのが原因。

その結果、生臭いような、肉の腐ったような独特のニオイを放つようになり、それが吐く息とともに出てきて、口臭となるのです。

2 医薬品・栄養剤の常飲も口臭の原因に

嗅覚(力)を測る検査の一つに静脈性嗅覚検査というものがあります。これはアリナミン注射液(静注)法が使われます。アリナミン注射液を注射した後、普通に呼吸そして、どのくらいの時間でアリナミン臭(ニンニクもしくはタマネギ臭)を感じるかというテストのこと。

嗅覚が正常な人は通常10秒以内に臭気を感じます。これはアリナミンの有臭成分が短時間のうちに呼気に現れることを利用しています。

つまり医薬品の摂取は、いろいろな化学物質を一時的に高濃度で摂取することにほかなりません。その代謝産物は一般の食品同様に分解された結果の産物ですが、とくに医薬品の場合、その有効性を発現させるために高密度の様々な硫黄、窒素成分が含まれる場合が多いので、独特な異臭を伴うのは当然のことなのです。

薬そのものに悪臭成分がない場合でも、薬の副作用として唾液分泌を阻害することが多いために口腔内乾燥が起こり、呼気臭のみならず口腔内からの口臭も起こりやすくなります。

疾病を持っていて医師から処方された薬を飲んでいる場合、勝手に減らすことはNGですが、予防的、健康増進的な意味合いで服用している医薬品・栄養剤については、一度お休みしてみても良いかもしれません。

3 無理なダイエットは口臭がキツくなる!

わたしたちは普段のエネルギー源として、糖質、脂質、タンパク質の三大栄養素を利用していますが、その中で最も重要な生活エネルギー源は糖質です。糖質は分解されて最終的に単糖類となり、小腸で吸収され、肝臓や筋肉にグリコーゲン(ブドウ糖の貯蔵型)として貯蔵され、その後必要に応じて消費されます。

空腹になると肝臓でグリコーゲンを分解し、あるいは筋肉から放出されるアミノ酸から糖を作って、グルコース(ブドウ糖)が血液中に供給され血糖が維持されます。カロリー源として、まず糖質(グリコーゲン)が分解・消費され、次いで脂質(脂肪酸)、蛋白質(アミノ酸の順で分解され、エネルギーとして消費されます。

脳エネルギーとの関連

ただし、脳はエネルギーの貯蔵ができないため、血液から供給されるブドウ糖が唯一のエネルギー源となります。脳では一日に約120gものブドウ糖が消費されるといいます。安静時でも全身の消費量の40%は脳によるものだとか。

脳はエネルギー源としてのグルコースは不足してくると、グルコースの代わりに肝臓で脂肪酸から生成きれるケトン体を利用するようなります。これは、脳では直接のエネルギー源として脂肪酸を使用できないため。その結果、脳のエネルギーを確保するために、肝臓ではケトン体を作り出し、血液中に供給する結果、吐く息には腐った果物のようなニオイ(=ケトン臭)がするようになるのです。

また、空腹状態では唾液の分泌自体が抑制を受け、唾液も消化酵素を多く含むネバネバした唾液へと代わります。そのため口腔内は保湿ができずに乾燥状態となり、口腔内の自浄性も低下し、その結果、口腔内由来の口臭がひどくなります。

この現象は、通常は空腹になった時のみですが、無理なダイエットや極端に炭水化物の少ないダイエットを行なった時も、同様の仕組みで口臭がきつくなる傾向がみられます。せっかく、自分磨きのためにダイエットをしているのに、口臭がキツなってしまっては本末転倒といえるでしょう。

4 思春期&更年期 ホルモンの変化で口臭が発生する!

身体は常に体液が循環してベストな状態を維持しています。血液とリンパ液は生命維持を担っています。そしてもう一つ、ホルモンと呼ばれるものが各器官から分泌されています。汗や涙や消化液のように身体の外に分泌されるものとは異なり、血液にのって全身を循環しています。内分泌と呼ばれ、成長や各臓器の安定した機能を維持する働きがあります。

性的な急成長期(第二次性徴期)や衰退の時期(更年期)には、このホルモンの分泌量が大きく変化するために、人によっては心身の不調を伴うことがあります。

とくに女性はその影響を受けやすく、思春期からは生理が始まり、それからは毎月ほぼ等間隔で生理が繰り返され、やがては生理がなくなり更年期を迎えます。

女性特有の生理的口臭

女性の場合、このホルモン分泌が切り替わる時に、それまで自律神経系によって無意識にコントロールされていた心身のべストな状態が維持できなくなると、様々な身体の不調を感じることがあります。

この状態は多臓器に及ぶために、全身の機能が一時的に不調になり、その症状も様々です。疲れやすくなったり、汗をかきやすくなったり、立つとめまいがしたり、顔だけがほてったり、食欲不振になったりと症状は多岐に及びます。

それと同時にメンタルも憂うつになったり無気力になったりします。その結果、食生活や生生習慣が不規則になりがちになり、そうなると、どんな人でも体調が悪くなり、様々な要因とからんで生理的口臭を引き起こしやすくなってしまうのです。

また、思春期など血液中に大量の性ホルモンが分泌される時期には、血液中の性ホルモンが分解された後に呼気に吐き出されるために特有の呼気臭がします。

ホルモンの変調による自律神経失調症候群の発現頻度や程度は個人差があり、ひどい場合は一時的に生活に支障が出ることさえあります。また精神的に不安定になったりもします。

精神的不安定は脳下垂体にフィードバックされ、さらに身体の調子を狂わせるという悪循環を起こすこともあり、口臭の発生原因も複雑になり、呼気からだけでなく口腔内からも発生することが多くなる傾向があります。

なお、思春期の第二次性徴期はもちろん、女性ほどハッキリした症状が現れないものの男性にも更年期(50歳前後)があります。男性の場合も「自分は無関係」と軽視しないほうが良いでしょう。

まとめ

以上、口臭の原因となる病的症状について述べてきましたが、各臓器、器官の疾患が、結果的に口臭の発生源となっていることがわかります。つまり、それらの疾病を治せば、ロ臭も治るということ。歯磨きやマウスウォッシュなどで改善しない場合は、何らかの病気が潜んでいるのかも。心当たりがある人は。早めに医療機関で検査してください。

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